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あいしてる

2009-06-11 | 21:24

昔、かたわれと運営してたホームページにのっけてたものを掲載します。
これからも自分の書いてた分をあげていきますです。
あと小説と現実を混同してしまう方は読まずにとばしてください。
オリジナルにしろ二次創作にしろ、書くのも読むのも純粋に楽しめる方、今後ともおつきあいくださいませ。

 

あいしてる

アタシの顔は真っ赤だったと思う。

告白は男から。
その方が格好がいいと思っていた。

だけど…
こいつの告白を待っていては、一生独身だろうとわかったから。

なにしろ
「アタシ、ドイツに移住しようと思うんだ。」
と言ったらその日の内にチケットの手配をすませてきた男だ。
少しは焦ったらどうだろう…

アイツの手にも同じ便のチケットがあったから、離れるつもりがないことはわかった。
かといって、女として愛されてるのかどうかはわからない。

今度は好きな人がいると言ってみようか…
…だめね。演技力に自信がない…というよりも怖い。
…もし、『おめでとう』なんて笑顔で言われたら…
アタシは壊れちゃうかもしれない。
壊れるのはイヤ。自分でないものになるのはイヤ。
でも、このままでもアタシはアタシらしくない。

だから、告白することに決めた。


----------------------------------------------------------------------------

僕の顔は真っ赤だったと思う。

告白は男から。
その方が格好がいいと思っていた。

だけど…
僕には誇れるものが何もない。
チェロなら僕よりうまい人はたくさんいる。料理だってそうだ。
アノコをひきつける特別なモノが何もないんだ、僕には…

『アタシ、ドイツに移住しようと思うんだ。』
アノコの言葉。僕の頭は真っ白になった。
だから、チケットの用意をすることしかできなかった。

ひきとめる?
…どうして?
そばにいたいから。
…なぜ?
そう、なぜなんだろう?僕とアノコが一緒に暮らすのは。
ずっと昔に願ったはずだ。でも覚えていない。
ただ、アノコの顔が浮かぶだけ。アノコの唇が動く。
○○○○○○
え?今、なんて言ったの?

アノコに渡したチケット。すぐその場で引き裂かれてしまった。
潤む瞳。綺麗な蒼い瞳。『なぜ?』と思う前にみとれてしまった。
僕は、この瞳と別れたくなかったのかもしれない。
だけど…
まただ。また、あの言葉。空想の中のアノコの言葉。
○○○○○○
やっぱり聞こえない。

僕の手に残ったもう一枚のチケット。そちらを渡した。
もう一枚あることに驚いた顔をしていたアノコ。
すごく優しい目をして僕を見てくれた。

僕はアノコと一緒に生きていきたい。
でも、自信がない。
将来アノコに誇れるものが持てるまで、それまでアノコは待っていてくれないだろうか。
でも、僕がアノコに誇れるものを持てるのは、いつになるだろう?
もし、このまま時が過ぎて、アノコの唇が
『好きな人がいるの』と動いたら…
僕は独りになってしまう。
独りはイヤだ。体も心も凍らせるのはイヤだ。

だから、告白することに決めた。


----------------------------------------------------------------------------

 

赤い海から帰って1年。
アタシ達は中学3年生。ただし、戸籍上はアタシもアイツも20歳なんだけど…

アタシがアイツに首を絞められてる間に、世界では5年も経っていたというわけね。
あの海とこの世界の繋がりはわからない。アタシ達がどうやって戻れたかもわからないんだから…

アタシ達のいない間の世界についてはマヤが教えてくれた。
マヤはあの頃のリツコにそっくりな雰囲気になっていた。
それを本人に言ったら笑っていたっけ…
あんな寂しい笑いは、いままで見たことがなかった。
どうやら補完はうまくいかなかったらしい。
この世界にも苦痛と不平等と生と死が消えていないらしい。
アタシ達が戦った意味はなんだったんだろう?

別に人類のために戦ったわけじゃないけど、でも、どうでもよかったわけじゃない。
アタシが生きていくために必要だもの、この世界は。

マヤの長い話は終わった。端的に言えば、アタシとアイツはもう自由にしてよろしい、そう言うことだ。

だから、また始めることにした。

誰かがそばにいてアタシを見ていてくれないと、アタシはまた壊れるかもしれない。
あの海では、その『誰か』はアイツしかいなかった。アタシを人形にして壊そうとするアイツしか。

アイツがアタシの名前を呼ぶのに耐えられなかった。アタシは愛玩動物や人形じゃない。
ましてやあの女でもないんだから。

でも、アイツ以外の誰かをその『誰か』に選ぶこともできなかった。
NERVの施設にいる間にできたボーイフレンドも、結局はアタシの身体目当てだった。
少なくともアタシの外見にひかれていた。

手に触れられるのが気持ち悪かった。肩を抱かれると寒気がした。
唇が近づくと…
耐えられなかった。突き飛ばして、蹴りを入れて、救急車を呼んでおしまい。

その度にアイツを呼び出してつきあわせた。
手に触れるとドキドキした。肩を寄せると身体が熱くなった。
キスをしたら…
離れたくなくなった。

何度目かのそんな夜。また二人で暮らそうと決めた。


----------------------------------------------------------------------------

二人で暮らし始めてからもう半年になる。
この家を探してくれたのは青葉さんだ。
引越の時には、青葉さんと日向さんとマヤさんが手伝いに来てくれた。

4LDKでかなり広い間取りの一軒家。
近所に品揃えの良いスーパーもあるし、商店街もあるから買い物には便利そうだ。
学校にも歩いていける距離だし。
青葉さんと日向さんとマヤさんのすむ家もここから15分ほど歩いたところにあるらしい。
3人は一緒に住んでいる。でも、結婚はしていない。
『3人には3人の事情があるのよ』とアノコは、言った。
だから何も聞かなかった。聞かなくとも不幸せだという感じはしなかったから。

でも、この家はホンとに広い。
僕の部屋とアノコの部屋と寝室。空いている部屋は防音工事をしてあり、チェロの演奏会用の部屋となっている。
演奏会といっても聞いているのはアノコだけだけど。
寝室には大きなダブルベット。そこに二人で眠っている。
といってもなにもしていない。キスするくらいで…
NERVの施設にいるころからそうだった。僕は独りで眠るのに耐えられなかったから。

帰ってきてからしばらくはマヤさんに頼んでいた。
暖かい感触が気持ちよかったけど…
ある日を境に中止された…というか相手がアノコになった。


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その日の目覚めは最高だった。
いつもならアイツの声に起こされ、アイツの部屋でアイツの作った朝食を食べて、それから学校に行く。
でも、今日は…
時計を見るとまだ5時。アイツは寝てるはずだ。
今日はアタシが起こしてやろう。
さて、どうやって起こそう…なんて考えていたのに…

「なにコレ」

目の前には信じられない光景。
ネグリジェ姿のマヤに抱えられて寝ているアイツ。
マヤの胸にすりよって幸せそうにわらって…

頭に血がのぼった。これって嫉妬?
そう思うとすーっと血がひく。そんなわけない。

「うーん」
マヤが呻きながら、アイツの頭を抱えなおしている。

駄目だ。やっぱりイヤダ。

アタシはアイツをたたき起こしていた。
言い訳を2時間にわたって聞く。要約すれば一言ですむ。
『寂しいから、誰かに抱かれて眠りたい』
これだけだ。

だから言った。
「アタシを抱いて眠りなさいよ。」

聞きようによっては、かなり危ない台詞だったと思う。
一緒に聞いていたマヤは、さかんになにか言おうとしていたし。
でも、アイツはなにもしなかった。キスもアタシが言わなければ、いまだにしていなかったと思う。
アイツを呼び出した時にするキスは、いつもアタシから。
だから、オヤスミとオハヨウのキスはアイツからさせている。
下手くそだと殴るといってるから、かなり気合いが入ってるし、最近では本当に上手くなっている。

でも、恋人へのキスだと思ってしてくれているのだろうか?


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金曜日と土曜日の食事はアノコが作る。
この家に来てからの習慣だ。
アノコの作る食事は、スッポンとか鰻とか、僕が普段つかわないような食材がつかわれる。
僕が20歳の誕生日を迎えた夜はとりわけ豪華だった。
お酒もならんでいたし…
ちょっと酔って頬を染めたアノコが可愛かった。

この話を青葉さんにしたら、お腹を抱えて笑い出してしまった。
一緒に聞いてたマヤさんは顔を真っ赤にしてるし、日向さんはわかりやすい性格だな、とか言ってるし…
でも、後で青葉さんに意味を教えてもらった時は、僕の顔はマヤさんより赤かったと思う。
ホンとに僕のことをそういうふうに見てくれているのかな。

もちろん、アノコは綺麗だし、スタイルもいい。
毎晩、毎朝、キスするたびにドキドキする。
心臓の音を聞かれるのじゃないか、股間の状態を覚られたらどうなるか、
そんなドキドキも重なり初めて目眩までしてくる。

でも、独りで眠りたくない。アノコと一緒に、アノコのぬくもりに包まれて眠りたい。
何千、何万回でも重ねたい、心も身体も。
ヒトツニナリタイ。

あの頃はなにもわかっていなかった。
アノコに求めるだけだったから。
僕は捧げられることだけ、与えられることだけを望んでいた。

僕にあげられるものはひとつしかないけど…でも、もらってほしい。
そして、僕ももらいたい。アノコからしか欲しくない。

まただ、またアノコの顔がうかぶ。
○○○○○○

キ○○○○○

え?

キモ○○○○

聞こえる?

キモチ○○○

確かに聞こえる?

キモチワ○○

判った。
僕はもう答えをもらっていたんだ。

キモチワル○

もういい、やめてよ。

キモチワル「このバカシンジ!」

えっ?

「またウジウジ考えてたわね?」

ここは?
校舎裏の櫻の木。
そうだ告白のために呼び出して…いや、呼び出されたんだっけ?

アノコの唇が動く。
あの言葉じゃないのは確かだけど…

「ごめん。今、なんて言ったの?
 他のこと考えてキミのことぼんやり見てた。」

「シンジ、いつもキミって言うね。
 名前を呼んでくれない。」

そうかな?
そうかもしれない。なぜか名前を呼ぶのが怖かった。
いや、あの言葉を言われるのが怖かったのかもしれないな。
でも…今は

「アスカ、好きな人はいるの?
 応えたくなければ、聞こえないふりをしてくれれば…」

「バカシンジ」

僕は思いっきり櫻の木に叩きつけられた。
背中の痛み。
それから唇の甘い感触。
アスカの感触。
のびてきたアスカの舌をつかまえて僕の舌も絡める。

お互いを絡め取るようなキス。
桜の咲く季節の方が絵になったかもしれないね。
もう一回すればいいかな?

ギリギリ

「浮気をしたらどうなるか。
 わかってるわね、シンジ。」

なんでわかるんだろう?

 

「僕でいいの?」

「わからないわ。
 でもね。アタシに愛の告白をさせたのはアンタしかいないわよ、シンジ。」

「えっ?」

「残念ながらアンタは聞き逃したみたいだけど。」

「えっ。
 あの…もう一回…」

「だーめ。
 アンタのとは違ってアタシの愛は高いのよ。
 アンタが100万回『愛してる』と言ったら、言ってあげるわ。」

駆けていくアスカ、その後を追うシンジ。
二人の影が重なり一つになった。

 

 

                      お終い

 

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Theme : 二次創作
Genre : 小説・文学

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