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宵闇ふぁみりー第四話

2009-06-26 | 21:59

宵闇ふぁみりー
-第4話-          

                 
「レイ、醤油とってくれ」

「ママ、これ美味しいよ」

「ユイ、わたしの箸がないぞ」

「あら、レイ、あなたもようやっと味の違いがわかるようになったのね」

「ひどーい」

「レイ、醤油」
「ユイ、箸」

フフフフ
アハハハ

「「……」」


働かざる者食うべからず

どこにでもある家庭の食卓
どこにでもあるわけでもないだろう黒板
そこに大書された文字

かあさんが笑いながら黒板に歩みより
赤のチョークを握り
アンダーラインをひいた


浮気モノも食うべからず

紫のチョーク(特注品)を握ったレイがその下にかかれた文字を囲む。

とうさんが『働かざる者』なのには僕も異議をはさまない。
でも、『浮気モノ』というのはひどいんじゃないのかな。
とうさんは、かあさんヒトスジだし、たぶん。

「『浮気モノ』はおまえをさしていると思うのだがな」

独り言は聞き流してほしいな…
でも、僕がなんで『浮気モノ』なんだろう?
恋人もいないんだから、浮気になりようがないのに…

「たしか、親の決めた許婚がいたはずだが」

「あら、本人も納得してましたわよ」

「そうそ」

そうなんだ…
…って
「初耳だよ」

「ひど~い、シンジがお嫁になってって言ったんじゃない」

「いつ?」

「10年前」

…というと僕が10歳でレイは5歳。
初めて会った頃かな。
とうさんがユイかあさんと再婚したのがちょうど10年前だったと思う。
レイは、ユイかあさんの連れ子。
ユイかあさんの後ろに隠れて、でも、顔をちょっと出して僕の方をうかがうレイが可愛かったっけ。

「いやだ、それほどでも

ホントにあの頃は可愛かったな。

「……なんか含みのある言い方ね

それはともかく、10年前に婚約した覚えなんか無いぞ。
たしかに血はつながってないから結婚できるけど。

「覚えてないとは言わせないわよ。
 二人でお医者さんごっこをする前に誓ったじゃない」

しんじーーーー
なんてことをしたのだーーーー

って、こうして胸を触診したりとかしただけだよ

サワサワ
「あの頃と同じだ」

そんなとこだけ声をだすなーーーー

「レイ、お前の胸は母さん似だ」

「あなた、何か言いまして

「空耳だろう」

ますます収拾がつかなくなってきて…
もう醤油なしで食べるか…
…って無い。

く~ぷ
満足げにお腹をなぜている少女。
12歳±1ぐらいの少女…

「明日香ちゃん
 …どうしてここに?」

「愛するシンジお兄様を追ってきたんです。
 棲んでたお城は結界ごと壊されてしまったし…」

そう、あの時、かあさんが発動させた術と結界を維持する力が反撥して…
幸い僕等に怪我はなかったけど、お城はめっちゃくちゃ。
仕事の依頼者はカンカンに怒って、結局、日本に逃げ帰るハメになったんだっけ。

「浮気相手が、よくものこのこと正妻の前に顔を出せたものね」

「ちょっと、レイ」

「シンジは黙ってて」

また独り言モードに戻るか…
それにしても、どうしてまた明日香ちゃんになったんだろう?
…っていうか、あの闘いの時の17、8歳のアスカ様と、ホントに同一人物なのかな?

「なによ、アスカ様って?」

契ったから下僕で、だからアスカ様なんだって。

「なによそれ」

僕にもよくわからないよ

「くすん
 ひどいです。
 やっぱり、最期に拒んだからですか?だから、そんな冷たいことを…
 でも、怖かったんですもの

しんじーーーーーー

「僕がこんな小さい子に手を出すわけ無いだろ」

「あら、アタシは今年で100歳になります」

「私とひとつ違いね」

「ママ」

「もとい、私と一桁違いね」

「ママ、サバよみすぎ」

「新鮮な血を飲めば、もうちょっと大人の姿になれます。
 なりましょうか?」

新鮮な血か。どこいけば売ってるのかな?
なんか、明日香ちゃんが近づいてくる…
可愛い口をあけて
可愛い牙をだして
僕の首筋につきたてて

ちゅっ
ああああ
ううううううううう
ああああああ
うううううううううう
ああああああああ

どがっしゃ

「痛いじゃない

「人の亭主の血を飲もうとするからよ」

「やる気?」

「「ぐうぬぬぬぬぬぬ」」

あ、あの食事にしようよ。
ほら、腹が減っては戦にならないって、定説もあることだし。

「「それもそうね」」


                       ○○○○○


ハアハア

ここまでくれば大丈夫だろう

ハアハア

ここは家から2時間ほど走った距離にある。
途中に山も川もあるから十分引き離せたはずだ。
そういえば、ここって…

ハアハア

『ハアハア』煩いな

「よくも、ほざいたなシンジ」

誰?

「お前の宿命のライバルだよ」

ぶおーーん

下げた頭の上をトゲつきの鉄球が通過していく
敵手を鎧ごと押しつぶすための武器だ。
モーニングスター、この武器を使う僕の宿命のライバルを名乗るのは…
…名乗るのは
……

「誰ですの、シンジお兄様?
 このモーニング娘は」

「私は、牧。
 ゴトー・牧だ」

そうそう。
そうだった。ここって牧家の所有地で、牧家は始祖のころからの碇家のライバルで…
でもって、日本にいづらくなった元凶だった。
なにしろ、所かまわず襲ってくるからな…
…可愛い子なのにな

ごとっ

「バ、バカ
 何言ってる」

「これも浮気ね」
「裏切りです、シンジお兄様」
「シンジ、成長したな」
「父親に似てないところが自慢の息子でしたのに」

全員集まってきちゃった。
こうなると牧ちゃんも後にはひけないよな。
いじっぱりだから…

ほら、取り落としたモーニングスターをそのままに、両手を前に伸ばし始めた。
親指と中指をこするようにして空間の歪をつくり、指をはじくと同時に空間の歪を前に飛ばす。

フィン

とうさんの髪の毛がほんのちょっと斬られて宙に舞った。

「始祖が伝えし我が家の秘術、見事破って見せるがいい」

さっきまで横に並んでいたみんなが、今は一列縦隊に…
…もちろん先頭は僕だ。

「僕は碇家の当主じゃないんだけどな」

「何を言う。10年前に家督は譲ったのに覚えてないのか?」

10年前…
…なにもかもが10年前に始まった




「回想シーンですね、シンジお兄様」
「次回につづくね」

つづく

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Theme : 二次創作
Genre : 小説・文学

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